へい太の日記

2003年02月09日(日) 偽りの海

テラスにあおむけになり 空を見上げる
いつもは 地べたを這い回るようにして歩き回る
ここは 空の一番底のはずなのに 
流れゆく白い雲が いつの間にか 下に
テラスに背中を張り合わせて
ここは 空から一番遠いところ
雲の切れ間から見える青は海
波かそれとも星か 白い輝きがそこにある気がした
雲の上 遙か遠くを飛んでいる
宇宙に向かって寝そべったまま

空を漂う間に 昨日まで 記憶の断片が甦る
同じ過ちを二度繰り返すものは愚か
同じ過ちを犯したものが説いている
過ちを止めることができたときには
もう取り返しはつかないまま
自らの手ではなく 誰かの力を借り
同じ伝え方しか できはしない

もう二度とやるまいと誓ったはずなのに
そんな心を持っていても伝える術がどこにもない
心はここに 閉じこめられている
偽りのかくれんぼ
海はそこにも広がっていた

そこに海は見えていたのに
青い海は空でしかなかった
白い波も見えたと思ったのに
そこには昼間見えるはずもない星が浮かんでいた

テラスから起きあがり
部屋に入る



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