この季節の夕闇が、もしかしたら一番好きかも知れない。
藍紫のほの暗い光がすうっと落ちてきて、いろんな色をより引き立たせる。庭先の白い薔薇が、黄色いパンジーが、ピンクの桜草が、紫のスミレが、茂った緑の葉の全ての色が映えて、その仄かな光の中で意外な自己主張を始めるのだ。
空は桔梗色という表現がぴったりくるような色をしていて、地平に近付くにつれ、濃紫、菫、碧、蒼、そして白、黄色。 ちょっとだけ紫に見えるエリアの緊張感が好き。
まだ陽の暮れないもう少し早い頃には、オレンジに輝く飛行機雲が見れたり、場合によっては機体に陽の光が反射して、目に届いたりする。
そういえば、この間初めて人工衛星を見た。 もうすっかり夜で、真夜中と言っていいくらいだったけれど、すうっと動いていく星が見えて思わず足を止めた。 星の合間をすうっと光って過ぎ、すうっと光を消して、また現れて。
季節を美しく享受する。 それは私の理想でもある。
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