イトナミ_エイエン

2003年02月11日(火) 仕事中

デスクに散らかされた無数の資料と、書きかけの書類。
一杯になった灰皿に煙草をねじ込む。
不意に携帯が鳴る。
一瞬、君からの電話かと期待した。
同僚からだった。
急に気が重くなり、電話は放っておいた。
留守番電話に切り替わる。
「明日の打ち合わせのお時間ですが…」
背もたれに体を預ける。息を吐く。
誰もいないオフィスで君の名前を声に出して呼んでみる。

その声は君には届かない。
誰にも聞こえないのなら、言わなかったのと同じ事だ。


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