夕暮れの遊園地で、 壊れたスピーカーから懐かしい曲が鳴っている。 ところどころ割れた音で、全ての歌詞は思い出せないけれど、 一番印象に残っている部分が心の中でかすかに響く。 ”他の誰とも違う。君は君だよ。”
古い写真や懐かしいうたは、覚書みたいなものだ。 過ぎ去る事が惜しくなるような素晴らしい時間・空間にピンをさしておく作業。いつか戻ってくるように、悠久の地図にピンを穿つ。
そして望むのは、僕が作った何かが、覚書として機能すれば良いという事。
自分の心にピンをさす誰かが現れるたびに、僕はそう思う。
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