母の日の2日前、子供達が手作りの貼り絵と手紙をくれました。
私はそれがカーネーションの代わりだと思っていました。
けれど母の日当日
パートから帰宅すると、子供達はみな 机に向かってなにやらコソコソ書いています。
亮輔が 「 お母さん、何色が好き? 」 と聞いてきました。
「 そうやなぁ。 物によって色々やけど。 何の色? 」
「 お花とか 」
「 お花か・・・ じゃあ、ピンクとか黄色、オレンジかな 」 それだけにしておけば良かった・・・
「 お母さん、赤とか紫の花はあんまり好きちゃうねん 」 余計なことを言ってしまった・・・
「 そう・・・ 」
しばらくして、3人の子供達がリビングに集まって 「 お母さんありがとう! 」 言葉とともに差し出された花、カーネーション。
3人で駅前の花屋さんまで買いに行ってくれたのです。 それぞれが心をこめて選んだ色・・・
茜は ピンクの大きなカーネーション1輪 瑞穂は オレンジの小さなカーネーションの花束
そして亮輔は 亮輔は・・・ 真っ赤な大きなカーネーション1輪・・・
胸がしめつけられました 息が止まりそうでした 悔しくて 悲しくて 腹立たしくて・・・
「 真っ赤なカーネーションってこんなに綺麗やったんや! 」 なんて取り繕ってはみたものの・・・
それぞれの花に添えられた、かわいい手紙
亮輔の手紙には
「 お母さん、いつもご飯を作ってくれたり、せんたくをしてくれてありがとう。 お母さんは前に 『 赤色が好き 』 と言っていたから、ぼくは赤色の花にしました。 茜はピンクにして、瑞穂はオレンジにしていました。 でもお母さんに聞いたら 『 オレンジやピンクは好き 』 って言っていたけど 『 赤色はあまり好きじゃない 』 と言っていたから、がっかりしたけど また今度はピンクの花を買ってあげたいです 」
「 ありがとう (^^) 」 と言う私に、亮輔は満面の笑みを返してくれます。
けれどその笑顔が、私の胸にとどめを刺して・・・ 泣きそうでした・・・ 亮輔がでなく、私がです・・・
ずっとずっと遠い昔
今の亮輔よりもまだ小さかったまあこは、母の日に何をプレゼントしたらいいのか分からず お兄ちゃんの真似をして、大きなブローチを買いました。 紫の花の形のブローチです。 お母ちゃんは喜んでくれました。
でも、数日後の参観日。 おしゃれしたお母ちゃんの胸で誇らしげに光っていたのは お兄ちゃんがあげたブローチで・・・
分かっていました。 ブローチ2つもつけられないこと。 その日の服にはお兄ちゃんのブローチが、とってもよく似合っていたこと。 でも、それでも、やっぱり悲しかった・・・
つまんないことだけど、30年近くたった今でも覚えてる・・・
それとこれとが重なって、結局トイレで泣きました・・・
ごめんね・・・ごめんね・・・ごめんね・・・と・・・
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