「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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ミー、セキが出始めた。 やば。 肺炎じゃないだろうなぁ。 インフルエンザで怖いのは、 合併症の脳炎と肺炎だ。 熱はない。食欲ある。 今日はお医者さんに連れて行こう。
インフルエンザの後期の症状と診断。
ひたすらわがままを聞き、安静に安静に・・・・。
ところが、元気なのだ。 兄と妹が遊んでいると、自分も外で遊びたいのだ。
昼ご飯を食べて後片付けをしている間に、 モックンが、 「むしとりにいってくる!」 と出て行ってしまった。 ミーは自転車で、マルは乗用玩具のパジェロ号で、追跡!
ひえー! で、で、でも、とりあえず茶碗は洗っておこう。 銀行にも行かなくちゃいけないから、 ついでにかばんに要るもの入れて・・・。 と、ばたばたしてる間に、 マルの泣き声が聞こえてきた。
どこ? 角を曲がってくるマル。パジェロ号を押している。 「どうしたのー?」 駆け寄ると、靴を履いてない。 靴下がどろどろ。 なに?
シューママが、ミーを抱いて登場。 こちらも靴ナシ。 ????
「田んぼにはまりやってん。」 わはははははははは! ・・・・・いや、笑ってる場合じゃなかった。
ダメージの大きいミーをお姫様抱っこして、 マルには、「がんばれ!」と声をかけて、 うちまで連れて帰る。
風呂場で泥を洗い落として、着替えさせて、 ぬかるんだ田んぼにめり込んでる靴の回収に行く。 シューママがもう拾ってくれていて、感謝。
だが、母にはもうひとつ確認しないといけないことがあった。
いた。 あぜ道でシューちゃんとモックンは網を片手にむしとりなさっておられる。
「こっちに来いッ!」 「なぁにぃ〜??」 走ってくるモックン。 「あんた、何してんの?」 「?むしとり。」 「妹がふたりとも大変やったのに?」 「ボクもはまったよ?」 「自分だけ抜けて、妹見捨てたんかっ」 「ボク・・・靴とろうとしたんやけど・・・とれんかったから・・・・。」 「で?」 「・・・・。」 「シューちゃんは大変だーって、ママに助けてって言いにいったよ?」 「あんたは?」 「・・・・むしとり・・・。」 怒り爆発ーーーー! 「にーちゃんなら、大事な妹が田んぼにはまって泣いてんのに、 心配したれよッ!助けられへんかったら、おかーちゃん呼びに来いよっ! マルなんか、自力で抜けて一人で泣きながら帰ってきてんのに、 一緒について帰ってやれよッ!」
なんやねん、こいつは。 なんて薄情なんやねん。
どうも、モックンはこういうやつなのだ。 前に、ドブにミーが落ちたときも、助けてくれたのは、ショータだった。 そん時コイツは、横で、「がんばれーがんばれー!」って、 ただ言ってただけらしい。 その前に、公園でマルの肩に小学生のおにーちゃんの 投げたボールがあたったときも、 マルを抱っこして介抱してくれてたのは、よそのおにーちゃん達で、 ご注進は、ミー、 コイツは、壁が空いたのをいいことに壁にボールを投げていた。
思いやりってものが、コイツ、わかってないのか?
確かにすぐにでも後を追いかけてやれなかった私の監督不行き届きも認める。 私がついていれば、起こらなかった事故だ。 でもね? 遊びって、大人の出る幕じゃないことがこれからどんどん増えてくる。 そんなときに、モックンのこの態度は、ダメなんじゃないか?
「おにーちゃんなんだから」は、極力避けてきた言葉だ。 だけれど、それが裏目に出たか? なんだよ、妹達のこと、ほったらかしで。 なに遊んでなさるんだよ!
怒り収まらないまま、うちに戻る。 攻撃的になってる自分を止めなくちゃ。
モックンに思いやりがないのは、私のせいなのか。 私がいかんのか。 はぁはぁしながら、気になった本を開く。 「子供が育つ魔法の言葉」 ここにはなんて書いてあんだ、思いやり。
『・・・・・分かち合うことを教えれば、子供は思いやりを学ぶ。 ・・・・・やさしく、思いやりを持って育てれば、子供はやさしい子に育つ。』
モックンの靴も泥んこだ。
「・・・モックン、靴、脱ぎな。」 涙目のモックン。 「なぁ。モックン、思いやりって、わかる?」 ごしごし靴を洗いながら聞く。 「わからん・・。」 「あのなー、困ってる人や、苦しんでる人や、 んー、悲しい気分でいる人をな、 助けてあげたいって思う気持ちのことやねん」 「うん。」 「相手のことを考えてあげてな、 どうしたらその人が、元気になるか考えてあげる気持ちのことやねん。」 「うん・・。」 「それって、大事な心やねん。 おかーちゃん、さっき考えててん。 おかーちゃんに思いやりの心がないから、 モックンは妹達にやさしくないんかなぁって。」 「あるぅ!」 「あるか?ほんなら、モックンも、思いやりわかるか。」 「わぁかるぅぅ。」 「やさしく、なろな?」 「うん。」
子は、親の鏡。 子は、親の鏡。 やさしくなろう。
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