「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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夕方、うちの前でモックンの同級生君たちが大騒ぎしている。 なにごと? レークンが、
「ひ、ひかれた!ヤマちゃんが車にひかれたっ!行って!おかあちゃん!」
げげっ。 現場は目と鼻の先だったので、小走りに行ってみると 大きい白い乗用車の陰にヤマちゃんが足を投げ出してへたり込んでいる。 とりあえず無事だ。
「だいじょうぶ?」と駆け寄るとこのしっかり者は 「ボクが飛び出したからぶつかったん。ボクが悪いん。」と言う。 うんうん、とうなずきながら、ジャージをめくりあげて当たったところを見せてもらう。 小さなかすり傷がある程度で、大きな出血はない。
そこに車から降りてきたおばさんが 「急に飛び出してきたから〜、当たっただけなんだけど〜」と言うので ちょっとあたっただけの軽い事故なのか、と安心する。 乗っていた自転車も破損はほとんどなくゆがんでもいないので友だちが乗って隅へ移動させた。
道の真ん中で車が止まったきりなので、後からレークンに呼ばれてきたレーママがおばさんに車をどけさせる。 おばさんは携帯でどこかへしきりに電話しているので話しかけづらいのだが、 警察に!と声をかけておいたら、警察にも電話してくれたようだ。
ヤマちゃんは見たとこ元気に見えるけど、車にじかに足が当たっている。 折れてるかもしれないし、ひどい打撲かもしれない。 お母さんに電話してすぐに来てもらうことになった。 お母さんを待つ間、一番痛くないポーズでいるのよー、と言ったら どうにも妙な方向に足を伸ばすのだ。 「どう思う?この向き。」と私。 「折れてるかもね。」とレーママ。 左右比べてみたらどんどん右が腫れあがってくるのがわかる。 冷やすか。でも骨折なら冷やすのはよくないし。
ヤマちゃんに、折れてるかもしれないし、そうでないかもしれない。 だから冷やすこともあっためることもなんにもできないけど とにかく動かさずにそうっとしてよう。と説明すると 「わかった。痛くなってきたー。」とつらそう。
元々ヤマちゃんと遊んでいた友だち連中は、カードゲームに忙しく消えてしまい 結局呼び出されたモックンが最後まで現場に付き添ってくれていた。 同じクラスの仲良しくんだったので 警察の車が見えたら走って誘導しに行き、倒れた友に 「ダンナ、サツが来ましたゼ!」と報告していた。(何者かお前たちは。)
警察とお母さんが到着して、簡単な事情聴取のあとヤマちゃんは近くの整形に。 そのあと現場での実況検分につきあうことになった。
警察てのはすごいな。
おばさんは私に「飛び出してきたので当たっただけ」と言ったが わずかな道路についた事故の跡から 「正面からはねて右折して巻き込んで3メートル引きずった。」ことをあっという間に教えてくれた。
げげげっ。 た、たいへんな事故じゃないんですかっ?? 整形でよかったんだろうか。救急で精密検査が必要な事故じゃないのかコレは。 隣でレーママが「救急車呼んでもよかったかも・・。」 まったくだ。 よく無事だったヤマちゃん!!
実況検分があらかた終わり、 おばさんはおまわりさんに 「あんたね!正面から来てる子ども見えなかったの!」と叱られ、 事故処理車に連れて行かれたので おまわりさんにお礼を言ってあわてて整形に走る。
レントゲンが終わったところでヤマちゃんは車椅子に乗っている。 「おかあさん、事故の状況が軽いものではなかったの!」と伝えて 診察室まで「ちょとごめん!」と入り込み、すっかりなかよしのドクターに 「先生!しっかり診てやって!ちょっとあたったどころじゃないの! この子、はねられて、巻き込まれて引きずられてる〜!」 と言うと、 「あらら。いまんとこ、どうもないんやけどなぁ。見えん部分が怖いなぁ。」
結局、総合病院の救急に転院となって精密検査をうけることになったヤマちゃん。 事故直後より痛みが増してきてるようで顔色がどんどん土気色になっていく。 かわいそうになぁ。 お父さんも駆けつけてきてご両親そろって付き添ってゆかれることになった。
後から気づけば 間髪いれずに救急車を呼べばよかったとか 事故現場を動かす前に目撃した子どもたちにもっと詳しく話を聞けばよかったとか 悔やむことばかり。 応急手当も何もできず、ただ動かさずに励ますことしかできなかった。反省。
交通事故は怖い。 たまたま無事だったからよかったものの ヤマちゃんは車の下から引きずり出されたのだ。 ヘタしたら命が危なかったかもしれない。
軽いお祭り気分になってる子どもたちに とにかく飛び出すな、と釘をさしておきました。
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