Just A Little Day
目録|過去|未来
あの指環を失くした瞬間、あたしは全てを失ったのかも知れない。 あの情熱。あの気持ち。あの、絶対的な安心感。そして未来さえも・・・ 見ない振りをしていた。
「未来」
そんな漠然としたものを信じられる程、あたしは強くないから。 刹那に全てを見い出し、「今」だけを愛してきた。
あなたへの想いは、今も変わらない。 ただ、あの頃の情熱は、もう見い出せない。 あなたが溜息を吐く度、あなたが目を伏せる度、 あたしは息も出来なくなる。
「依存」したい訳じゃない。 ただ、離れていたくない。 苦しくても、あなたと居る沈黙の中にしか生きている実感を感じられない。
「何でもない」
そう云いながら溜息を噛み殺すあなたの気配、電話でも感じる。 その手に触れていないと、不安で気が狂いそうになる。
あたしはどうしたいんだろう。
「後悔」
あたしは何を後悔しているんだろう。
永遠に全て同じ形ではいられない。 永遠なんて信じてはいない。 でも今のあたしは、 「永遠」を喉から手が出る程欲している。
こんな後ろ向きな言葉、此処に吐き出すべきじゃないのだけれど・・・
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