娘と私

長女を生んだのは 今から24年前 私自身も24歳の時
所謂「適齢期」だったけれど まだまだ成熟しておらず
親にはなったものの 初めての子育てに夢中で
純粋に子供を可愛がる精神的余裕も あまりなかったように思う

この子が1歳8ヶ月で長男(第二子)が生まれ
3歳4ヶ月で続けて次男(第三子)が生まれた
常に乳飲み子を抱えていた母と
否応なく「お姉さん」になった娘

転んで膝を擦りむいても 赤ん坊を抱いている私の目の前で
ただ 立ったまま 泣いている子だった
縋り付こうにも 膝に乗ろうにも そこには常に先客があった
若かった私も 赤ん坊を一旦離して娘を抱いてやる
そんな余裕がなかった

そうやって もしかしたら愛情が不足したまま
娘は成長してしまった

今 その分を埋めるかのように
娘は毎日私と話をする
親しい友人の中には まだ 妊娠出産経験者がないため
話し相手がいない というのが理由だが

それでも あの頃の不足を補うかの如く 
刻々と形を変えるお腹に触らせてくれ 胎動を聞かせてくれ
そして 些細な相談を持ちかけてくる

もう間もなく この家から出て行ってしまう娘
この子を娘として 一緒に暮らす最後の数ヶ月を
生まれて来る赤ん坊と同じくらい(いや、もしかするとそれ以上に)
愛しく 大切に思い乍ら 
今日も大きくなったお腹に触れ 母親学級のテキストを広げ 
エコー写真を見 昔の写真を眺め 
 
  夜のひとときを過ごす
2007年02月22日(木)

花のもとにて / しっぽ

My追加