「にこにこばかりもしてられない。」
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川上弘美の「パレード」を読む。
「センセイの鞄」という物語に出てきた センセイとツキコさんのある夏の日のお話。 もう終わってしまった物語の中のほんのりとした回想。
ワタクシは あといったい どのくらい生きられるんでしょうか。
と言うセンセイにツキコさんが
ずっと!ずっとです!
と叫んで、
ああ。ふたりにそんなふうに終わりがやってくるのだ。と、 結末を読まないうちから泣けて泣けてどうにもならなかった。
あのとき物語の最期で、 ツキコさんは凛としていて センセイがいなくなったことをちゃんと受け止めていて 本の外側で私だけがわぁわぁ泣いていて困った。
だけど こんなふうに通じあっていた日があったから ツキコさん、強かったんだなぁって またちょっと泣いた。 悲しくてじゃなくて、よかったって。
ほんとうのわたしたちも そうやって「どれだけ実ったか」が 終わりのときに明るい顔をしていられるちからになると信じる。
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