「にこにこばかりもしてられない。」
DiaryINDEXpastwill


2005年01月05日(水) 「パレード」

川上弘美の「パレード」を読む。

「センセイの鞄」という物語に出てきた
センセイとツキコさんのある夏の日のお話。
もう終わってしまった物語の中のほんのりとした回想。



ワタクシは あといったい どのくらい生きられるんでしょうか。

と言うセンセイにツキコさんが

ずっと!ずっとです!

と叫んで、

ああ。ふたりにそんなふうに終わりがやってくるのだ。と、
結末を読まないうちから泣けて泣けてどうにもならなかった。

あのとき物語の最期で、
ツキコさんは凛としていて
センセイがいなくなったことをちゃんと受け止めていて
本の外側で私だけがわぁわぁ泣いていて困った。


だけど
こんなふうに通じあっていた日があったから
ツキコさん、強かったんだなぁって
またちょっと泣いた。
悲しくてじゃなくて、よかったって。




ほんとうのわたしたちも
そうやって「どれだけ実ったか」が
終わりのときに明るい顔をしていられるちからになると信じる。


DiaryINDEXpastwill
きゃおる |MAILHomePage「いつもにこにこ・みけんにしわなし」

My追加