2006年03月20日(月) |
第571話 ビーグル |
郵便局が閉まる直前に慌てて確定申告を郵送しに行ったときの事。
入り口の前に一匹のビーグルがつながれていた。 瞳は中をじっと見つめてる。 お洋服を着せられて首にはチョーカー。
きっと女の子。 優しい顔立ち。ぽっちゃりした体。
表情から、全身から「おかあさんまだ?・・・おかあさん・・・・おかあさん・・・」と言ってるのが伝わってくる。

出入りする人たちがみんな思わず足を止めて微笑みながら見つめて行く。 犬の愛しいところを、余すところなく伝えてくれるその子は、お母さんが戻ってくるまで微動だにしなかった。
待ち人が現れてはしゃぐ様子も見たかったが、急いでいたので後ろ髪を惹かれる思いで車に乗った。
翌朝、少し散歩のルートを変えて古い住宅街に進んだ。 マイペースで歩くノアの足音爪音を聞きつけて、若そうなビーグルがグイグイっと柵の隙間に顔をねじりこんでくる。

きっと男の子。 甲高い声で吼えまくってた。
「やいやいやいっ!オレの縄張りだぞっ!気をつけて通れよなっ!お前誰だよ!お散歩してんのか?お散歩いいなあっ!!!」 と叫んでるのがわかる声と表情。
すごく可愛い。
ノアは全く聞こえないような顔で、ピクリと耳だけ動かして無視していた。
面白いなあ。
最近、犬が何を言ってるのか聞き取れるようになった気がするんだけど、脳が衰えて幻聴が聞こえてるだけかもしれません。ふふ。
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