+--- Cinema Memo ---+
■ TRAFFIC<トラフィック><☆☆☆☆>
2001年07月10日(火)
アメリカの裏社会に根深く浸透し、巨大な陰の経済を掲載する麻薬密売ルート。中でもアメリカとメキシコを結ぶ巨大な麻薬コネクション“トラフィック”をめぐって、様々な欲望や陰謀に満ちた事件が繰り広げられる。政府の麻薬撲滅の指揮を取りながらも娘が麻薬に蝕まれてゆく男、裕福な生活が密売人である夫の逮捕によって崩れてゆく妊婦、相棒を失いながら組織の中心に迫ってゆくアメリカとメキシコの警官……全米に広がるエピソードは、いつしか一つの焦点を結び始め……
監督-----スティーブン・ソダーバーグ 出演-----マイケル・ダグラス ベニシオ・デル・トロ
音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆ 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆
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映像---物語のパートによって映像のタッチを変えてあり、目まぐるしく変わる舞台もわかりやすくなっている。メキシコの乾いた映像はずしんと心に響く。
ストーリー---控えめなカタルシスがよりリアルさを強調させる脚本が素晴らしい。麻薬の撲滅というと、常に政治や司法のやり方が問われがちだが、実は各家庭の自意識が何よりも必要であるというニュアンスが、押し付けがましくなく感じられた。一つの答えを避け、あらゆる立場の人間から麻薬流通についての一場面を切り取った傑作といえましょう。
キャスティング---あまりに知っている俳優が多いと、作品のリアルさが失われることがある。この作品は、そのあたりのバランスも素晴らしい。そして、なんといってもベニチオ・デル・トロ。存在感のある味わい深い演技がナイスでありました。マイケル・ダグラスは、政治面ではハマり役なんだけど、麻薬に溺れた娘を見て泣く場面がやっぱりクドかった。(この娘が全然ピチピチでジャンキーって感じに見えないので悲惨さがうすかったかも)
私見---組織のイカれた殺し屋(ゲイ)を検挙するために、デル・トロがその手の発展場に行って殺し屋をダマし、挑発するシーンで我々は固まった……。わざとカウンターに寄りかかって分厚い腰からヒップのラインを相手に見せ付け、とどめにコンドーム(色は赤なんだな、これが)付きの煙草の箱を勧めるんですよー。本場はこうやってお誘いするわけなんでしょうか。彼に演じられると凄い迫力と色気でクラクラしました。(我々は男の視線なのか?)ソダーバーグ監督のデヴュー作はあの「セックスと嘘とビデオテープ」なのですが、これで名実ともに一流監督の仲間入り。一味違うハリウッド映画を撮り続けて欲しい。
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Written by
S.A.
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