深いところにあるもの |
「すごいきれいな秋の空だよ。蝉の死骸がたくさん落ちてる。ほんときれい見てみて。」 急いでビルから出て都会の小さな空を見上げた。 ビルに囲まれた空は、真っ赤で、灰色で、オレンジで、言葉で表わすのは恐れ多い気がした。 言葉を失う、というのはこういうことなのかもしれない。 ただ、都会を歩く大多数の人はその空に気付いていないことが哀しかった。 その一員になりかかった自分も哀しかった。 そしてこのメールをくれた友だちの感性と、そういう友だちを持てたことが無性にうれしかった。
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2001年09月11日(火)
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