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窓の外の傍観者
2003年01月07日(火) 冬に桜が咲いたならば きっと綺麗だろう 白い雪の中 薄っすらと桜色の花弁が はらはらと舞うのだろう 私は でも 寒くて 家から出られない こたつの中で じっとその場面を見つめるだろう みかんの皮を剥きながら 私は頬づえをついて テレビをつけるだろう そして ニュースで再び その場面を見るのだろう 雪の中の桜 アナウンサーはうっとりした顔をする 花見をする人たちも酔いしれる 私はそれを 心底腹を立てて 見ているだけなのだろう 私が家を出ないまま 桜も散って 雪も降らなくなって 何もなくなってしまうのだろう 何も見るものがなくなり 人々は離れて行くのだろう 私はそのとき 初めて外に出るだろう 何もなくなった桜を見上げ 何もなくなった青空を見上げ 誰もいない場面に 私が独り立つだろう それから また私は 家に入っていった人たちを 覗くだけなのだ |