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線香花火 2005年08月10日(水)

二人でしゃがみこんで
じいじいと線香花火
笑ったら、落ちた

着慣れない浴衣を着るよりは
って、だらだらのTシャツとジーンズ
いつもどおりのはずなのに
二人はいつもどおりになれない

暗い闇の中で
笑い声だけが浮かぶ
表情を見分けられないくらいで
ちょうどよかった

薄い月がぼんやりと残っていた

愛し方を知らなくてごめんね

君の愛に同等の愛を捧げること
それが必要だと思っていたのに
できなかった

私は君が好きだったけど
好きなだけだった

線香花火が落ちたら
二人の笑い声もだんだんに消失した
またの夏に思いを馳せた

きっともう二度と二人の夏はこない





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熊野
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