やんの読書日記
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2003年10月01日(水) |
マウルスとマドライナ |
アロワ・カリジェ文、絵 大塚勇三訳 岩波書店
カリジェの絵本は生活に根ざしているから 説得力がある アルプスの山で生活するフルリーナやウルスリ、 マウルスが家の仕事を手伝いながら 自然の中で生きていく知恵を学んでいく。 そんなおおらかさと力強さが表われている。 この絵本は、レーベルマンスの「山のクリスマス」の 反対バージョンだ、と思った。 レーベルマンスは町の子ハンシが山へ遊びに行く話し。 こちらは山の子マウルスが町へ遊びに行く話し。 一番いいなと思ったところは マウルスの賢さだ。雪原を越えて、町の友達の家に行くとき、 きれいな色の布切れをつけた旗を目印に雪原に刺しておいたことだ。 帰ってくるときに吹雪にあったのに、この目印のおかげで 友達も一緒に助かるのだ。 生活のにおいがしながらも考えさせてくれる楽しい絵本だ。
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