やんの読書日記
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2003年10月22日(水) 幻の馬3 暁の星をおびて

ジュマーク・ハイウォーター作
ベネッセ

アマナの二人目の孫シトコ。シトコは作者自身だ。
飲んだくれの父、かっこつけたがりの兄、
二人目の夫に気を使ってばかりの母。
二人目の父の養子になったシトコは家族であって
家族でないものに囲まれて自分が何者であるのかわからなくなってしまう。
インディアンであることの誇りを失い、
アメリカ人としても生きることができないとなれば、
それは自分喪失だ。
兄リノの転落を見て、母の死、祖母の死を経験して
不死鳥のように立ち直るのかと期待していたのに、
それはまったくなかった。
私自身にも待ち構えているかも知れない自己の喪失。
そういう危機と背中合わせの自分を
この作品の中に見たような気がする。
第4巻はいったいどうなっていくのだろう
サクセスには導かれないような気がするが
シトコは自分を取り戻してほしいと願ってしまう。


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