2004年06月06日(日) |
バーチャルウォーター |
「バーチャル」だからといって、ゲーム上の遊びではありません。
日本は水資源の大量輸入国であることを知っていますか?
日本は水を輸入なんかしていないじゃないか、と思いますよね。 それでは題名にあるバーチャルウォーターって知っていますか?
このバーチャルウォーターという目に見えない水とは、輸入先で家畜や 植物を生育するのに必要な水のことを言います。食料輸入大国の日本は、 言い替えれば、水資源の輸入大国であることを意味しているのです。
例えば牛肉300gに6000リットルの水が必要となるといいます。 天ぷらソバでは920リットル。ハンバーガーは1000リットル。
国土交通省のデータによると、標準的な家庭での1日の水使用量は322 リットル。バーチャルウォーターを年換算にすると、630億トン。 日本の水使用総量は870億トンですから、その3分の2がバーチャル ウォーターに相当することが分かります。
輸入しなければ、日本で使用されるべき水も、食料の諸外国からの輸入に よって、その水を使わずに済んでいることを私たちは見逃しています。
では、食料の輸入が何らかの理由でできなくなったらどうなるのか。 3食全てにイモが入り、味付けは塩だけ。牛乳や肉は5日に1回のみ。 江戸時代以前に戻らなくてはなりません。
現在は大量の食料輸出国であるアメリカでは、穀倉地帯の地下水の過剰 吸い上げによる水不足、中国では農業用水の工業用水への転換による 水不足が起きており、このままいくと食料輸出国が輸入国に転換することも 考えられます。そうなると、日本が輸入できなくなる可能性さえ出てきます。
こういった、実際に日本で使用されている水だけが私たちを支えている わけではないことを、今回は言いたかったわけ。
そういう意味で、私たちは日本に居ながらにして世界の一員であることを 感じていなければなりません。
はい。今日は雨ときどき曇り。(東京地方)
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