Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?|それまで|これから
2003年07月03日(木) |
復活したテレビの話をしよう「高原へいらっしゃい」篇 |
と言うわけで(どう言うわけ?)今期最も期待している、もとい今期の中でただひとつ個人的に見る気のあるドラマ「高原へいらっしゃい」の第1回がたった今終わりました。私は山田太一のオリジナル版を実際に見たことはないのですが、シナリオ集で読んだ限りは相当に心魅かれる作品だったので、今回のリメイク版を見てみようと決心したのです。とりあえず放映直後の感想を箇条書きにしてみたいと思います。
・佐藤浩一の面川はなかなか渋くてよかった。ホテルマンらしい立居振舞を過不足なく表現できていた。とりあえず及第点。オリジナルの田宮二郎にどこまで迫れるかが今後の期待。
・共演陣について。こっちは悪い点ばかりが目立つ。まず井川遥だが、残念だが演技の基本が出来ていない。特に発音に抑揚が乏しいのが苦しい。いくら人気があるとしてもちょっとなあ・・・そしてその井川遥に並んで演技が不味いのが大山のぶよ。25年間の声優一本槍な生活のせいで、からだ全体で演技するということを忘れてしまったのだろうか。とにかくクサイのだ。もう少し抑えた演技をしてほしい。後は堀内健。お笑いタレントを正統派ドラマにねじ込む必要は全くない。三枚目役には三枚目専用の役者がちゃんといるのだから、変な人気取りみたいなことはしないでほしい。残りのメンバーは可もなく不可もなくと言ったところなのだが・・・
・演出もきつい。どうでもいい場面でカットバックを使ったりする妙な画面構成が目立つ。あれは時間の無駄ではないだろうか。特に今回はメインキャラクターのプロモーションも兼ねているのだから、7人の位置関係を明確に示すショットが欲しかった。今回の演出では登場人物の立場が並列的でいささか奥行きに欠けてしまっていた。それとこのドラマのウリである風景描写も下手くそだったと思う。大自然の優雅さを表すにはカメラの長回しをもっと多用すべきである。今回は奇麗な風景を適当に切り貼りしただけというまさしく写真的な処理しかできていなかったんじゃないだろうか。
と、探せばアラばかり出て来てしまう感じなのですが、もともとのシナリオはからり出来が良いので、こらからの盛り上がりに期待するとしましょう。キャストも演出も一回目で手探りの状態だったと思うし。もとより根気のない私が連続ドラマを最後まで見届けられるか、はなはだ不安ではありますが、まあ頑張ってみますですハイ。
橋本繁久
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