郷公園に向かうバスに乗っていたら なあんか聞いたことのある声 思わず振り向くと 以前お宝着物を ざっくり頂戴した Fさんの奥さん
今回の台風で 浸水はなかったものの まだまだあった着物が トタン屋根がめくれて 行李ごとだめになってしまったそう お嫁入りの貴重な留袖も 全部捨てたと聞いて なんとも複雑な気分だった
恐らくこの被災で 豊岡の貴重な財産は かなりが失われてしまったと思う 道路脇に山積みに捨てられた 古い和箪笥や柳行李だけでなく その中には きっと相当数の着物もあったはず
うちだって 水が急激に上がったら 全部を救出することは無理だったろう 真っ先に移動させたのは ネットで売りに出している商品と 預かっている商品 作りかけのうさぎ玉のもとぐらい
いのちがあることを出発点として 食べること眠ること 基本的な生きる営みが次に来るとしたら わたしが大切にしようとしていた モノって一体なんなんだろうか そこを突き詰めると もう動けなくなりそうで怖い
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