ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年05月03日(火) 泥大島が呼んだ着物

久美浜のフリーマーケット
Sさんが出店するというので
Nさんと一緒に出かけた
特に何かを買う予定はなかったのに
やっぱり古物には
ついつい視線が行ってしまう

古い薬瓶をふたつ買ったあと
着物があればとりあえず見
ひと回りしたのに
Sさんが見つからず電話
いちど通った場所なのに
その前あたりで
瓶に眼を奪われて迂回していたのだった

相変わらずSさんの品物は
値段もついていない
いろんなものが雑多にあって
もう着物は随分売れてしまったそう
ただであげるという中から一着選び
他にも値段を聞いたものは
すぐあげると言ってくれるので
遠慮なくいただいてしまった

ちょうど背中合わせのブースに
なんだかそそられる
地味な着物が下がっていて
思わず引き寄せられた
とても状態のいい男大島に混じって
木綿かと思うような
茶の細かい格子の着物が素敵だった

聞くと木綿ではなく正絹とのこと
ところどころ補修があり
スカートにはどうなのかと迷っているうち
Sさんの口添えもあって
5千円が4千円
4千円が3千円にまで下がってしまった

自分では値切るつもりもないのに
この成り行きにどうしても
買わなきゃ行けない気がしてきて
そういう買い方はまずいと
一旦諦めたのだった
結局最後には買うことにしたのだけど
どうしてそんなに惹かれたのかは
家に帰ってから判明

前回作ったスカートに使った
泥大島のハギレが
びっくりする程しっくりなじむ
あの組み合わせがひとつきりだったのが
残念でならなかったから
残りのハギレが
この着物を呼んでくれたのかもしれない

前回よりは素朴で
ちょっと野暮ったい位の雰囲気
むしろわたし的には
こちらの組み合わせの方が好みに近い
今回の着物の補修痕を隠した自分用と
綺麗なところだけを使った商品用と
うまく行けばふたつ作れるかもしれない

全ては解いてみてからだけど
そう描いただけで幸せが倍増してきて
つくづく買ってよかったと思うのだった


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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