「風着」という本を出している 真砂さんの服の展示を 和田山の工房城ヶ鼻に見に行った ご主人の手による木工家具や 青竹を大胆にディスプレイに使ったスペースは 麻やアジアのシルクの服を いっそう爽やかに演出していて 思いのほか点数があったのに 圧迫感をまるで感じさせない
服のデザインはシンプルなものが多く 選ばれた素材の良さが ストレートに伝わってくる 薄物のトップスなら 衿ぐりの見返し部分だけではなく 見頃全体を二重に仕立ててあったり ボトムスは上に布を重ねたりして 表布の肌触りをそのまま味わえる工夫がされている
布を贅沢に使っているぶん お値段にも反映していて 本にも載っていた服など 予想をはるかに上回る金額がついていた サイズはワンサイズだけれど どれもゆったりめのMという感じ 他にも端布を使った巾着や 羽衣のようなストールなど小物もあった
ひととおり見させてもらったあと お茶を頂きながら 工房のFさんとおしゃべり 今回の展示をすることになった経緯や Fさんの柿渋染めについて 暖炉が素敵な 隣の部屋まで覗かせてもらい ゆっくりした時間を過ごさせてもらった
本当は ただ服を見ることだけが楽しみだったのに 実際に行ってみると 作り手としての自分と スペースにお客様を迎える側の自分が フクザツに交錯して Fさんとの出会いから 思わぬちからをもらえた気がした
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