2003年06月23日(月) |
佐為をなくしたヒカルの罪悪感。 |
突然気になりはじめたのが、佐為をなくした後のヒカルの抱える罪悪感。 元気がよすぎて、あまり周りへの配慮の出来ない、やんちゃで純粋な男の子って、見てるだけでしんどくなってしまう人も多いかも知れない。
物語の前半であまり評価の芳しくなかったヒカルが、佐為をなくして罪悪感を抱え込んだ途端、評価が上がったのは何故だろう?
子供の時から漠然とした“罪悪感”めいたモノを抱えて生きてきた。 自分が存在してはいけないんじゃないだろうかという、全く何の根拠もない空虚感。 親に愛されていない、もしくは愛される資格がないと信じこんで、自分自身も親にさえ愛情を感じない酷い人間だという罪悪感。 逃れる方法はなく、小二の時にそれでかなりまいってしまって、疲れ切っていた事がある。
そんな事を感じる子供は自分だけだろうと思いながら、見つけた本の中に、自分と同じ感覚を持っている子供がいる事を知って救われた事があった。
それから逃れられるようになったのは、『何かを創る』という事に目を向けてからだった。没頭して、何かを書(描)いてる時だけは、その罪悪感と不安と、焦燥感から逃げる事が出来た。
自分だけじゃないのかもしれない。 ヒカルが抱えた「自分が思うままに振舞ったら、大切な人は二度と戻ってこない」という罪悪感は、いつか、何処かで、誰もが経験する感覚なのかもしれない。
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