ノーエの日記

2003年06月27日(金) ある日、突然に。

診察室にいる間に、新しい予約をいれたらしい患者さんが、時間になっても来ない。子供さんの事だから、病院に行くとわかって急に『嫌だ』と“ダダ”をコネだしたのか…くらいに思って予約表をパラパラ見ていたら、その父親である方の予約が、1時間後に入っていたのを見つけた。
きっと一緒に来るつもりなのだろう…と思っていたら再び電話。

その時受け付けにいた私が電話を取った。

「主人が病院に運ばれて、今からその病院に行くので、そちらには行けません」

取り乱した声。明かに動揺している事がわかる不安げな声。

「わかりました。お大事に。」
そう言って電話を切ったものの、もう少し気の聞いた事が言えなかったんだろうかと凹む。
事故なのか、急病なのか、全く状態がわからない。また、どうでしたか?様子を尋ねる為に個人的に電話をかけられるような立場にもいない。
けれど、時々顔を合わすご家族の突然の出来事に、激しい動揺を覚える。

個人的な付き合いなんて一切ない、ただ職場で時々顔を合わすだけの他人なのに、徒事でない不安を感じる。
―――ああ、人は人との繋がりを無視できない。――――つくづくそう思う。

どうか、どうか、無事でありますように。


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