私にしては朝早く家を出た。
阪急御影駅北の深田池の上の分かれ道を西に向かう。 歩行者同士でもすれ違いに気を使いそうな路地。両側の御屋敷。 黙々とスケッチをしている老画家。彼の邪魔にならないところまで 進み、写真を撮った。

朝の太陽の下、六甲まで歩いた。阪急六甲駅の書店は午前8時から営業。 しばらく本を読んだ後、電車で三宮に向かった。
JR三宮駅前のサンパル近くの路上に、たくさんの花々。 なにかを一生賢明に作っている人達。

老若男女を問わず、幅広い層の地域の人達。和やかなムードの人、 一心不乱な人。それぞれのペースで、作業は進んでいた。

桜の季節が過ぎ去っても、この街の人達は暮らしに花を忘れない。 短い花の命を記録にとどめようとする、やはり短い命のカメラマンの撮影を さらにデジタルカメラで撮影した。もしそれぞれの人を花と言えるならば、 人はみな短命過ぎるのだから。

完成に近付いている部分を撮ってみる。北海道のパッチワークの丘を 思い出した。花が地面を染める。路面が違うマスクを被る。
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