にゃんことごはん
ごはん



 カナブンの受難

先日の夜、居間でリュウとテレビを見ていたら、ベランダで涼んでいたはずの猫たちがニャンを先頭に行儀よく整列して部屋のなかに入ってきた。顔ぶれは、ショー、練々、キラリン。

「どうしたんだ?」「どうしたの?」と顔を見合わせるリュウと私。さあ、と首を傾げたものの、そのまままた視線をテレビに……と、リュウが「ママ! 虫だよ、虫!」と立ち上がった(彼は、何時のころからか虫が苦手になった。小さいころは平気だったのに)。振り返るまでもなく、虫の羽音と壁や天井にぶつかる音がする。それを、先の4匹が追いかけ始めた。

しかし網戸なしで開けている窓はベランダに面したそれだけで、虫が飛び込んできた気配はない。どこから入ってきたのだろう。「ベランダで捕まえて、口にくわえて部屋に入ってきたんだよ!」とリュウ。なるほど。それで、みんなして行列を作っていたわけね、と納得。

リュウは飛び回る虫から逃げて居間のドアの辺りまで避難するし、猫たちは騒ぐし、こりゃなんとかしないと、と立ちあがったとき、虫は窓のほうに。猫たちも一斉に窓に向かい……見失った。「出てったみたいよ」と言うと、リュウはやっと戻ってきたが、猫たちはまだウロウロ。しばらく虫が飛び出していったと思しきベランダの窓の辺りの匂いを嗅ぎ、ニャンとキラリンは再びベランダへ。練々は先ほど部屋に入ってきたときの通り道を嗅ぎ回っている。ショーだけが、窓際に佇んでじっとしていた。

その騒動が、だいたい7時半過ぎのことで、その夜、11時ごろ窓を閉めようとするとまだショーが窓際にいた。ベランダの猫たちを部屋に入れて窓を閉め、カーテンを引いた時、何かが落ちてきて腕に当たった。

見ると、カナブンだ。ショーが飛び掛る体勢になったのを横目で見て、あわててカナブンを捕獲。窓を開けてベランダから外に逃がした。なるほど、ショーだけはカナブンを見失ったのではなく、カーテンのところに逃げ込んだのを見ていたのだ。だから、ずーっとずーっとカーテンを見上げて監視していたというわけだ。リュウも私も居間から部屋に引き上げて、他の猫たちも獲物のことを忘れて涼んだり、転寝したりしている間もずーっと、密かな戦いが続いていたのか、と思うと、やれやれご苦労さま、という気分になった。

そうやって狙っていたせっかくの獲物を横取りされたショーは、しばらくカナブンが落ちた辺りの床を未練がましく匂ったり、カーテンを見上げたりしていたが、私が鰹節の袋を取り出すと、尻尾を立ててやってきた。鰹節を食べ終わるころには、どうでもよくなったのか、忘れたのか、やがていつものお気に入りのダイニングチェアに丸くなった。

しかし、カナブンもとんだ災難だっただろう。部屋に入ってきた猫たちの、得意げな、あるいは期待に満ちた顔を思い出すと、改めて猫というのは狩りをする動物なのだと思う。しかし、どうしてわざわざ部屋のなかへ? ベランダは狭いから、広い部屋のなかでいたぶるつもりだったのだろうか。

◆今日からリュウはサッカー合宿。また、みんなの分のおかずまで平らげているのだろうか。ということで、ごはんメニューは昨日の分だけ。

7月31日(木)
* 朝−ソーセージ、トマト、キュウリwithツナのディップ、卵スープ(玉葱、チンゲンサイ)
* 昼−冷やしうどん(小ネギ、大根おろし)、ジンギスカン(玉葱、キャベツ、ピーマン、ピメント)
* 夜−刺身(鯨、黒鯛)、ミズナのサラダ(大根、貝割れ、桜海老)、ゴボウのサラダ(ゴマ)、小松菜と揚げの煮びたし、ミョウガのみそ汁
* 間食等−納豆、草もち、桃、牛乳1リットル

2003年08月01日(金)
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