にゃんことごはん
ごはん



 15歳 猫にはやさしくできるのに女子には投げやり それも思春期?

ニャンがキッチンで「これぞ猫のなき方ですよ」てな感じの甘え声でにゃーにゃー鳴いていた。
ちょうどリュウと私は夕飯時で、猫たちにはその前にちゃんとご飯もあげて、ポンポンもしているのにニャンはにゃーにゃー。
かまってほしいのはみえみえなのだが、仕事が立て込んでいて疲れていた私はそのまま無視していた……ら、ご飯食べ中のリュウがやおら立ち上がり。
キッチンからニャンを抱いてやってきて、自分の隣の椅子に座らせ、片手でポンポンしながらご飯を食べ始めた。

「やさしいじゃない」と言うと、もぐもぐしながら頷くリュウ。
「その調子で、女子にもやさしくできない?」−−女子がうざいの、うるさいの、うっとおしいの、といつも文句を言っているものだから、そう言ってみると首を横に振る。
「似たようなものじゃない。女子も猫も」 はげしくブンブンと首を横に振るリュウ。爆笑したいのを堪える母……。
「女子と猫じゃ、違う?」 相変らず、無言のまま頷くリュウ。
先刻から一言も言葉を発しない所を見ると、照れ臭いのが一目瞭然。おかしいったらない。

そのうちきっと、猫みたいな女の子に振り回されたりするんだろうなぁ、と思いながら、隣の椅子から膝に乗ってきたニャンを抱えながらご飯を食べるリュウを横目で見て、ニヤニヤしてしまった母だった。

◆ここ数日、急に気温が下がり、あたたかい汁物の恋しい季節。
朝から、嬉しそうに豚汁やら、煮込みうどんやらを食べるリュウの姿に、ああ、夏も終わりだなぁとしみじみする。


2006年09月14日(木)
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