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多くを求めない         2003年02月27日(木)

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わたしは元来気楽な性格で、「住めば都」的な物事への執着心、
実現可能そうであり得ない夢を見て、
楽しく、笑いに満ちた毎日を過ごしてきた。

でも結果主義がわたしから笑いを奪う。

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何かを成し遂げなくてはいけないのだけれど。

死ぬまでに。

こんなんじゃだめだ。

形相が変わる。

何かを成し遂げなくては為らない。

何かを成し遂げなくては為らない。

何かを成し遂げられないのなら、

さっさと死んだほうがまし。

なんて思考回路がおかしくなって、

机上の空論、着手不能、時間がない。

全てのことが無意味になり終わる。

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こんなことを茫洋と考えるときは、
タマネギの皮。
真理を探しているようで、道を誤る。
こんなとき、誰も傍にいて欲しくない。

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鬱の人には「頑張れー!」と声を掛けてはいけない。
頑張ってる、頑張ってるのに、それは認められずに、
人を越えるために自分をさらに追いつめる。
最近新聞でよくこういう記事を見かけるから、みんな周知のことだと思う。

でもわたしは何故かこどものころから知っていた。
たぶん、そうだろうって。

本の虫だったわたしが、物語を書くのは自然なこと。
疲れている子供、楽しそうに笑っていたとしても、
たぶん、「頑張れ」と言ってはいけないんじゃないかと。

多くを求めない。求める必要もない。
でも求めるときは気楽すぎで安直で、実現できそうで過度の期待、
時に人を追いつめる。

気がつかなければさらに楽だが、気がついてしまう場合、
わたしはどうしても「頑張ろう!」と言うことができない。

「頑張ろう!もうちょっとじゃない、きっとできるよ!」

「気楽に行こうよ。休養が必要なら無理しない方がいいよ」

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どっちがいいのかは知らない。

もしわたしが集団の長だったら、ひとつのことをやり遂げる前に、みんな四散してしまいそうだな。そんなことを思いながら苦笑する。

自分がなかなか作品を仕上げられないのは、
そういうことなんじゃないかと思えてまた笑う。

昔のように馬車馬のように描き続けなければいけない(鞭は強迫観念)、
そいつは考えただけでも身震いする。

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実現できそうなちょっと無理のような夢。
現実に引き戻されるたびに挫折感を味わう。

それがゆっくりでも。他人よりゆっくりでも。
無意識より自覚した方がいい。
現実に戻ったならばまず階段を作らなければとやっと気がつく。

by HPY


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