日常些細事
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2004年02月24日(火) かいーの

 数日前、庭を掃除するため植木の間を這いまわったのだが、その夜から
  ぶわわわーっ
 と蚊に刺されたような跡が全身に現れ、痒くて仕方がない。
「これは虫に刺されたのだ」
 そう確信した私はただちに病院に行くことにした。
 だが堂田皮膚病院(仮名)の堂田先生は私を簡単に診断するなり、
「ああ。蕁麻疹ですね」
と、こともなげに言うのである。
 虫刺され間違いなしと思っている私はなんとも納得がいかない。
「でも先生。庭を掃除してから発疹が出るようになったんですよ。虫に刺されたんじゃないですか」
「いやいや。虫に刺されたんなら皮膚にもっとひどい跡が残ります。蕁麻疹ですよ」
「けど先生。私は生れてこのかた蕁麻疹になったことは一度も無いんです。」
「蕁麻疹というのは急に出るものなんですよ。食べ物、動物、心理的なもの、と発病の原因はいろいろありますけどね」
「ははあ。食べ物や動物ですか」
 それなら思い当たる節がある。私は先生に質問してみた。
「こないだ冷蔵庫に賞味期限を10日過ぎたパンがあったのでもったいないから食べちゃったんですけど、これが蕁麻疹の原因でしょうか」
「それは違うと思います」
「庭に糞をする猫を捕まえて折檻しようとしたら逆に引っかかれて逃げられました。これが原因でしょうか」
「それも違うと思います」
 私は嘆息した。
「では、ほかに蕁麻疹の原因になりそうなものはないですねえ」
「たとえば仕事がうまくいかなくて強いストレスがかかっている場合、蕁麻疹の出る人がいますよ」
 堂田先生がとても優しい目をして言う。まるで勉強の出来ない子供をあたたかく見守るベテラン教師みたいである。「あなた、いまストレスがあるでしょう?」
「はい」
と私は答えた。


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