春の便り 2004年02月19日(木)

去年頃からアレルギーの傾向が出てきて、今年になってどうやら花粉症を発症したらしい知人が問いかける。
「やっぱ花粉症みたい。どうしよう」
私は答える。
「どうしようもこうしようも、花粉症なんてもんは、なんも思わず、考えず、逆らわず、心を無にしてただひたすら春の間鼻水を垂れ流すのみ」
「心を無になんてできない」
「できるとかできないとか、するとかしないとかじゃなく、春の盛りには無我の境地に達するから。自動的に」
 彼は、遠い過去を思い出すような顔つきで、黙って哀しげに微笑むのだった。

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