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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年05月13日(火)
Blue Monk

仕事がようやく決まった。

目黒の花屋である。

花など一昨年に薔薇を枯らして以来、触ったことすらない。

薄黄色い薔薇で、二つ三つ花を咲かしたあと、野ざらしに枯れた。

とても素敵な色だったが、花弁が大きすぎたのだ。

そんな気分ではない。

遠のくように幻滅して、それ以来花には触っていない。

面接に行ったとき、店の中はコチョウ蘭のいい匂いがした。

これはこれでいいかもしれない。

近くには僕好みのレコード屋もある。

面接の帰りに寄ってみると、ドアーズがかかっていた。

地獄の黙示録のイントロに使われてた曲だ。

他に本も置いてあり幾つか買いたくなったが、

裏をめくるとそれなりの値がしたので、

止めておいた。

今度からはその本を買うことも出来る。

いささか気が抜けてしまうが、

明日からは僕にも職があるのだ。

そのことを下北沢のミスタードーナッツで記していた。

携帯からもこの日記は書くことが出来るのだ。

でも携帯では、ほんの少ししか書くことが出来ない。

コンクリートに頭を擦りつけるアナグマみたいな按配になってしまった。

これはよろしくない。

でも店を出てみると、

何故だか、下北沢の街は溜息で出来ているように思えるのだ。

慰められ、そのあとヴィレッジヴァンガードで雑貨を見て家に帰った。



薔薇が植わっていた鉢はまだある。ここからまた花が咲くのか、

それとも咲かせるように僕は努力するのか、

他の色々な可能性こそなお暗いが、

寝る前に観る夢のように、

それはあどけない。

力の抜けた気持ちでそれを探ったが、

行き当たったのは

モンクの「アローン イン サンフランシスコ」というアルバムで

ブルーモンクはその一曲目だ。