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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年06月21日(土)
ロカバイベイベェ

 まず・・・散らかった部屋は片付けよう。

 ゴミだらけだ。

 耳から血が出る。

 ずっとその匂いが気になっていたが、

 なんのことはない

 血の匂いなのだ。

 腐った血の匂い。

 部屋を見回す。

 脱ぎ散らかした服や本に紛れて

 ヴィム・ベンダースの「パリ・テキサス」を見つける。

 今日は帰ってきたらそれを見てみよう。

 自慢じゃないがヴィム・ヴェンダースの映画を最後まで

 眠らずに見通したことは一度も無い。

 だから思い出すことって、情景だけで筋ではない。

 それって素敵だ。

 時々、「東京画」の笠智衆を思い出す。

 眠ってしまってもよいと

 つきはなす映画は得がたい。

 脱ぎ散らかした本に失われた時を求めてが転がっている。

 僕はそいつを摘み上げ

 ポンポンと腹をはたいてやり、

 元々の場所に戻してやった。