『恩田陸』で、『奈良への旅』だったので買った一冊。 知った場所が舞台になると、頭の中でキャラが動き出したり して楽しいのだ。 しかし…考えてみたら、奈良に住んでいたのに、 奈良の事をほとんど知らない自分を再確認してしまった。 唯一イメージできるのは、奈良公園から新薬師寺のくだり。 明日香は何度か行っているが、かなり昔なので 田園風景と亀石しか思い出せない…(汗)。 子どもの時はやっぱりそういう良さってわかんないんだよね。 今になって、めちゃめちゃ懐かしい、奈良。
ストーリーについては、かなり後半まで引っ張られた。 コロコロと変わるシチュエーション、不安定な人間関係、 現在と過去の交錯、挟まれる小さなお話、そしてあの結末。 片手間に安心して読み進める事はできないことは確かだ。 4分の1ぐらいまで切れ切れに読んでいたのをもう一度 最初から一気に読み直した。 ミステリ、とはちょっと違う気がする。 謎は存在するけれど、それよりもこれは旅。 あー、今の季節、いいだろうなあ、奈良。 (文中の季節とは違うけれど) 京都と奈良の違いについて書いてある部分があったが、 これは本当にうなずける。 奈良は京都のように、現在の中に過去が混じっていない。
余談だが、どこかしこにも煙草の匂いがしてきそうな 煙草吸いたちにちょっと閉口したかな…
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2003年10月23日(木) |
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