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むかし中野に住んでいた頃、家の近くに片目の野良猫がいた。人間を全然怖がらず人懐っこい猫だった。私はとりあえず『ニャンコ』と言う名を付けた。お腹が減ると私の家の玄関の前で「ニャー」となく、私が家の近くまで歩いて帰って来ると迎えに来てくれるようになった。一度だけかわいそうな事をした。凄いドシャ降りの寒い日、ニャンコが家の前でないていた。「家に入れて」って言っているような気がした。でも家には『しじみ』がいたので家に入れてあげる事ができなかった。とりあえず玄関の中にいれ、えさをあげた。いつも聞き分けのいいニャンコがこの日はずーッと「ニャーニャー」とないてなかなか帰らなかった。「ごめんね家には入れられないんだ」と言ったらなんか悲しそうに帰っていった。言葉は通じなくても気持ちは通じるのかなーと思った。でも本当にかわいそうな事をした。ちょうど桜が咲く頃、あれ今日はニャンコこないなーと思ったら、それが最後だった。二度とニャンコは来なかった、多分もっとかわいがってくれる人を見つけてそっちに行ったのでは、と思う。あの人懐っこさで。
kanno
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