エンピツを読んで・・・
なかじ〜



 ジャミラ

快速電車に乗りたいため、何本か電車を乗り過ごく時、
駅の改札の目の前にあるレンタルCD・ビデオ屋へ行く。
十数分くらいの暇つぶしにはもってこいの場所である。
そこで、キッズコーナーを見た時に、
ウルトラマンシリーズをたまたま見かけた。

昔の映像が好きな自分は、学生時代に「ウルトラQ」を
全巻見ていた。その時ぐらいだろうかある脚本家を知った。
金城哲夫。彼を語ると長くなるので割愛するが、
初期ウルトラシリーズを語るに欠かせない人物である。

金城の作品ではないだ、印象に残っている作品として、
ウルトラマン第23話『故郷は地球』がある。
怪獣はジャミラ。
物語の概略は、地球に怪獣がやって来た。
地球に住んでいる人々は怪獣にやって来たと恐れたが、
その怪獣にとってはふるさとである。地球人である。

彼は宇宙船で行方不明になったが、ある星に不時着し、
そこで生きることができた。しかし、その星の環境によって
身体は怪獣のようになっていた。本人にとって地球という
ふるさとに帰ってきたが、地球人にとっては怪獣である。
結局ウルトラマンによって倒されてしまうが、
地球人は彼の功績を称えて石碑を立てる。
しかし最後にイデ隊員(だったかな)が
「犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど・・・」

ウルトラマンが好きな理由として、自分が感じたのは、
必ずしもウルトラマン(地球人)=正義
怪獣=悪という構図を作らなかった。
いや作り出せなかった。
勧善懲悪の話を作ることは簡単なことである。
でも初期作品であるウルトラマン・ウルトラセブンは
単純な勧善懲悪の世界を
作り出すことが出来なかったのが
かえって素晴らしい作品を出しているように感じる。
金城も含めこの時代の脚本家は
ウルトラマンの矛盾を抱えながら作品を作っていた
と思う。でもその矛盾があるからこそ
現在でもウルトラマンが語り継がれる理由だと思う。

2001年07月02日(月)
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