「接触の火花」

自分が欲しい言葉というものが明確に有る時は沈黙している。
他に求めてもそれはどうやったって別のものに違いない。
誰かに何らかの言葉を求めようと思う時、それはわたしにとって、
その人の言葉ならなんでもいい時。

正の要素に於いて存在を核が認識しているという事。
あまり色んな事に興味が持てない人間の抱擁しようとする稀少。
それが通り過ぎる風景に浮かぶ、個体という存在。
憶えるのではなく刻まれるかのように、
時間が経ったくらいではきっと褪せたりはしない。
己の内側で散り続けるその接触の火花の美しさを、
忘れようにも忘れられないから。


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