stray notes

氷砂糖

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七夕の思い出
2001年07月07日(土)

小学校も中学校も、校内の広い場所に大きな竹が置かれて、ひとりひとつ短冊に願いを書けた。いつも適当なことを書いた。かないそうな範囲で、誰に見られても困らないようなことを。本当に願っていることは、書けないことだった。そんなことを願っているなんて、誰かに知られてもどうしようもなかったから。

笹の葉にからむたくさんの短冊を見ながら、神様がこれを全部かなえてくださるなら大変なことだろうなぁ、と思った。でも、このうちどれくらいの願いがかなうのかな、と考えたりもした。わたしが書いたのは、たいして本気でもない(でも嘘ではない程度に真面目には書いた)ことだから、本気の人のために、あとまわしにされてもいいかな、と思ったりもした。

でも、わたしの本当の願いは、もし書いても、きっともっとかなわないのだろうな、とも思った。実際、それは無理だった。もう、駄目になってしまったことを知っている今となっては、やはり願わなくて正しかったのかな、と思う。七夕様を、困らせるだけだものね。




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