stray notes

氷砂糖

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カッコイイ!(旧コラムより)
2002年03月13日(水)

駅で切符を買おうとしていたときのこと。右斜め後ろで、「どうしました?」という暖かい声がした。すこし振り返ると、ちいさなおばあさんが、うろうろと困ったように路線図を眺めていて、その横に少し太めの、健康そうな20代後半か30代前半の男の人がいた。

男の人は「何駅までですか?」とたずね、おばあさんは駅名を答えた。「ああ、○○駅で乗り換えですね。こちらの販売機で×××円ですよ」男の人はさりげなくおばあさんを導き、彼女が券を買うのを見つつ、ふわりと方向転換し、自動改札に定期を滑らせて階段のほうへ消えた。

つまりおばあさんがほっと一息ついてお礼を言おうとしたときには、もう彼はその場にいなかった。背も低かったし、顔は美形というよりは愛嬌があるくらいしかいいようがないようなタイプだったけれど、なんだかかっこいー! と思ってしまった。



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