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「......」
仕事の帰り、消耗品を買うためドラッグストアに寄った。レジはすこしこんでいた。会社帰りによる人が多いのかな、と思いつつわたしはぼうっと立っていた。わたしの前にいる男の人は、髪が少なくなりかけているサラリーマン風の男の人だった。40後半から50前半くらいの歳かな。わたしより背が低いので、彼がリステリンと、ほかにふたつのこまごましたものを買おうとしているのが見えた。
彼は会計が終わるころ、レジのお兄さんに「あ。正露丸もくれ。ちいさいやつ」と言った。なんか横柄ないいかただな、と後ろのわたしは思ったが、薬局のお兄さんは丁寧に、「こちらとこちら、どちらになさいますか?」とすこしサイズの違うものを手にとって示した。さすが店員。というより、そのお兄さんは気立てがよかったのかな。雰囲気が爽やかだったから。しかし男の人はよっぽど切羽詰っていたのか、「どっちでもいいんだよっ。さっさとくれっ」と怒鳴った。わたしはおじさーん、そういういいかたはないんじゃないですかー? と内心思いながら自分の番を待った。どうしてああ怒りっぽいのだろう。不思議。
買い物をすませて外に出たら、路上駐車している2台の車の、後ろのほうに自転車が軽くぶつかった。自転車に乗っていたおじさんは、そのままよろよろと方向転換しようとしたが、前の車の後ろからおばさん(30代かと思われるが雰囲気がおばさんぽい)が「ちょっとあなた気をつけなさいよ。車が歪むじゃないの」と苛ついた声を出していた。男は気の小さいたちだったのか、「あ。すんません」と弱々しく謝った。女性は「わたしの車じゃないけど。もっと考えて行動したら?」等、ぶちぶちと文句を言って、自分の車に乗り込んでいた。後部座席に小さい子がふたりいた。うーん..。
なんでそんなにいらいらぴりぴりしているのだろう。仕事で疲れてるのか、夕食前でおなかがすいているのか、カルシウムが足りないのか、不況だからか、生活がつらいのか、花粉が飛んでいるからか、そのほかにも理由はあるかもしれないが。そんなにかりかりしなくても..と、思うわたしはぼんやりしすぎているのだろうか(そのきらいもなくはない)。
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