暑いけれど、窓を開ければしのげなくはない、という温度だと、あちこちから人の声やら物音やらが聞こえてくる。母親らしき女性が、小学生の男の子に怒鳴っていると、ああ、暑いから余計に苛々するんだろうなぁと思ったり。どこかの男性が、なんども夜にくしゃみをしていると、寒いなら窓を閉めたらよいのでは、と思ったり。女の子が誰かに電話をしている声がずっと続くと、よく話題と体力が続くなぁ、と感心したり。聞こうと思わなくても入ってくるそれらに、ぼんやりと「あー、この世にはわたしと夫以外の人間もいたのねー(どこにも出かけないと存在を忘れることがあるので)」と感じたりする。 物音に関しては、いまいちよくわからないものが多い。夜中にのこぎりをひくような音がして、こんな時間に日曜大工ー?と首を傾げたり。がちゃーんと何かが壊れるような音がして、何をしているのだろう、大丈夫だろうか、と不安になったり。実を言うと、周りにどんなひとが住んでいるのかよくわかっていないのだが、できれば平和に、みんな仲良くくらしているといいなーと思う。
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