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わたしの顔は見なくていいから
たまに、夫の買い物につきあう。つきあうと言っても、夫が意見を求めれば言う程度で、大抵そばでぼうっとしている。が、ときどきレジのひとが、わたしの顔を見て「あのう、すそ上げいかがなさいますか? 別途300円かかりますが」だの、「お名前、お入れしますか? 別途500円になりますが」とか言い出して、意識をそちらへ引き戻される。あのう、夫の買い物なんで、わたしの顔色うかがわなくても全然問題ないんですけど……。
世の中、夫婦共働きの家庭も増えているし、皆が皆、奥さんに家計をすべてまかせているとも思えないのだけれど。それともやはり、そういう家庭のほうが多いのだろうか? うちは夫の稼いだお金は夫のお金、わたしが稼いだお金はわたしのお金で、お互いどう使うかは個人の自由になっている。お小遣い制度もない。変な話、夫が高額の買い物をしても、どこかで呑む打つ買うをしても、女の人を囲ったとしても、わたしにはわからないだろうと思う。
買い物の後、「世の中の奥さんって、そんなに旦那様のお買い物に口出すのかなぁ」「さあねぇ。どうだろうねぇ」という会話をする。どうでもいいけど、本当にいちいち確認しなくていいんですってば。
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