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長生きは無理かもしれない
小さい頃、漠然と早死にするような気がしていた。病弱ではないが、軟弱ではあったので、生き延びるのがとても難しく思えたのだ。頑張れば高校くらいは出られるかなぁと思ったものの、その先何をどうしていいかさっぱり見えてこなくて、これは20歳まで生きられないのかもなぁとぼんやり思った記憶もある。
次の誕生日でわたしは30になる。よく生きたなぁと思う。案外なんとかなるものだなぁ、とも。ただ、今は昔とは別な意味で、そんなに長生きはできないんじゃないかなぁ、と思っている。父からの遺伝もあり高血圧気味なこと、なのにお酒やファーストフードが大好きなことを考えると、まず、からだがもたない気がするのだ。そして相変わらず、この先の人生、というのは靄がかったように不明瞭。
子供の頃、自分が死んだら友達は泣いてくれるかなと考えた。数は多くないけど、悲しんでくれる人はいそうだ。しかしすぐに忘れてもとの生活に戻るんだろうな、と思えた。自分が死んで、一番悲しいのは自分かもしれないなぁ、という気がした。そういえば昔母親が、逆縁だけはしないでね、と言っていた。産まなければよかったと言いながら、同じ口で先に死ぬなって言われてもなぁ。嫌な思いをしてまで産んだり育てたりしたわたしの遺伝子なんだから、勝手は許さない、という意味だったのだろうか? でも死ぬときは死ぬでしょう。
わたしのお葬式は、夫と弟と父だけでお願いしたい。他の人はいらない。友人達には、時間がたってから、風のたよりにでも知ってほしい。ああ、死んじゃったのねと思ってくれればそれでいい。そんな風に思う。
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