stray notes

氷砂糖

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すこしだけ。
2005年10月01日(土)

ひょんなことから、某バンドのライブに夫婦で行けることになった。どちらかといえば、わたしより夫のほうがそのバンドには詳しい。彼は素直に喜んでいた。そしてわたしは好きな曲もあるがそうでない曲もあるので、さほど期待はしていなかった、が。生はやっぱり凄い。迫力が違う。ふだんあまり好みでなく、CDなら飛ばしてしまうような曲も、実際にその場でじかに聞くと、意外に聞き応えがあって印象が変わる。感心して、しばらくは余韻に浸っていた。

しかし1週間もたつと、魔法の効力が解けるかのように、ライブの印象は薄れてきた。夫にその旨話すと、「それって、記憶力が弱いからでは? 俺はあの迫力と感動、今でもちゃんと思い出せるよ?」とのこと。言われてみればそんな気もする。ライブレポ
(http://www006.upp.so-net.ne.jp/d_garden/mizuha/924dome.htm)は書いておいたので、活字情報としては覚えているのだが…。CDを聞きなおすと、以前より心に沁みる感じがあるので、記憶がないわけではなく、何らかの形で残っているのだと思いたいが…。夫のように、鮮やかに呼び起こせるものではないようだ。

わたしは小さい頃辛いことがたくさんあったようなのだが、そのほとんどを忘れているらしい。後に人から聞かされても、ああ、そういわれてみればそうなのかな? 程度にしか思い出せない。神様は、記憶力が強いと可哀想だから、記憶消去能力でもつけてくれたのかな、とよく思っていた。イヤなことを忘れてしまうだけでなく、いいことも覚えておけないのも、仕方ないのかな、とも。ただ、こういうとき、すこしだけ記憶力のいいひとはいいな、と思う。あくまですこしだけだけれど。





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