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2004年09月05日(日)<<<張り手3発

丸々1日以上一緒に居続けて、帰りの電車。

凄く疲れたのでロマンスカーの切符を買った。

唐木田行き。新百合ヶ丘まで十数分で着くね。

こんなにくたびれてしまったのはきっと、彼の隣ではしゃぎすぎたから。

彼を手放したくなくて、しがみつくようにずるずるとそばに居た。

笑ってわがままに振舞って、手をつないで歩いて。

気を抜けば泣きそうだった。気を抜けなかった。

彼を、お兄ちゃんを失ってしまったら

私の心の一部は、音もなく崩れて二度と治らないんだろう。

受けた傷も悲しみも、傷つけることにはかなわない。

私は、お兄ちゃんを傷つけてしまったから。




昨日は渋谷でお昼に会って、こっこの絵本の原画展を見たり

ハンズで買い物をしたりして、夕方まで普通に過ごしていたのに。

雨が降ってきて、飲み屋に入って、お酒を結構飲んだんだと思う。

気持ちよくなって、ぼんやりして、ふと口が滑ってしまった。

時間まで飲んで、ホテルへ行って、問いただされると嘘は言えなかったよ。

私は言ってしまった。

私は、浮気をしていました。

3度も。




一人目は今でも泣くほど好きな昔の彼氏。

お兄ちゃんと付き合い始めてすぐの頃、誘われて。

そう、単車に乗せられて渋谷まで走ったとき、やってしまった。

そのときはまだ、その男が本当に好きで。

何度なじられて冷たくあしらわれて怒鳴られても、好きなんだよ。

一生で一番好きな人だと思うから、誘われれば着いて行った。

それ以来、連絡は取っていない。

向こうが、嫌がってくれないと思う。




二人目は近所の男の子。

関係を持った同い年の男は、この男くらいで。8月の夜だった。

中学も違ったけれど、何故か知り合って、遊び倒した。

男ばかりの中に入っていって、夜な夜な集まっては遊んで。

一番楽しかったのは肝試しで墓地に入ったときかな。

男はみんな気味悪がってたけれど、お墓大好きな私は中へ入っていって

その人があきれて迎えに来たときには、帰り道に迷っていた。

それからしばしばやっていたけど。

若いから?かうまくないのであまり付き合わなかった。

彼氏にと考えることもなかったし、好きではなかったのだろう。



3人目は昔の知り合い。

凄く最近のことで。あまり話したくない。

この人と会うといつもホテルへ行ってしまうから、もう会わない。

もう会えない。悲しくない。




全部話すとお兄ちゃんは歯を食いしばるように言って私の頬を3発張った。

飲み屋で「浮気してたらどーする?」と聞いた私に

「拳骨で殴る」といっていたのに、手の平は握られなかった。




きっと何より痛かったのは許されること。

朝起きれば頬の痛みは引いていた。本気じゃなかったんだね。

それが痛かったよ。殴り倒されれば胸は痛まないのに。




私が浮気性なのは知っていて、誘われればついていく女だと知っている。

そんなお兄ちゃんをとうとう裏切ってしまって、私の信用は地に落ちた。

携帯からその3人のメモリーは消すように言われて消したけれど、

あの本当に好きだった人の番号は、頭から離れないよ。

その人とやったことを知るとお兄ちゃんは笑ったけど

それが一番申し訳なかった。

私がまだその人を好きなことを教えたようなものだから。痛かった。




それで起きてからもずっとそばに居て。

夜の7時過ぎまで離れなかった。




地元の駅に着いたとき、ウォークマンから流れた

こっこの「焼け野が原」が泣けてきて。

泣きながらぼんやり歩いていたら駐輪場に居た。

そこでやっと自転車が駅前の銀行の前だと気づいて笑えた。

ついでに鍵をなくしていたのも笑えた。皮肉な笑いだった。









辛いとき、悲しいとき、淋しいとき、多くを支えてくれたのはお兄ちゃんだった。

彼女でもなんでもない女の子の私を、やさしく支えてくれていた。

幸せだったから忘れていた。

お兄ちゃんが言ったよ「この5年間は何だった」って。

そうだね、もう5年もそばに居てくれた。

離れていた時間も多かったけれど、長く短い5年だったね。

病めるときも健やかなときも、本当にそばに居てくれて。

私は何を見ていたのだろうね。




昨日の夜はさめざめと泣いて。

背中を向けて眠ってしまった。

目覚めるとだいぶ離れたところに彼が居て、淋しくて。

そっと転がっていってくっついた。




私は何度も同じ過ちを繰り返して、それでも気づかなくて。



頬は痛かったけれど目が覚めた。

誰にぶたれるより痛かった。

今までどんな男も私に手を上げなかった。

誰にぶたれるより痛かった。




朝、囁かれた「あいしてる」に胸が詰まった。
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