2004年10月17日(日)<<<記憶をなくしたまま進んでいいのだろうか?
デェトが終わって家に帰ってきたらトリックの映画をやっていた。
エンディングだけ見れたのだけれど、TVの前に座り込んで泣いてしまった。
鬼束さんの「月光」に泣いてしまった。
もうずいぶんと鬼束さんの歌を聞いていないな、と思った。
聞きたくなかったんかも知れない。
「月光」は淋しくなる。哀しくなる。月明かりを思い出す。
自分の居場所がわからなくて泣きながらタスケテと叫んでも声にならないような。
そんな歌だと思う。私だけかな。
昔の彼、単車に乗っていた彼、マジェスティーの頭文字でMとしよう。
そのうち人物紹介のページでも作りますね(笑)
Mと付き合っていた時にもこの歌を聞くと泣いていた。
今日、お兄ちゃんとデェトして、かなり疲れた後にドトールでお話して。
彼の大学時代の話とか、ネットでチャットを立ち上げてた頃の話を聞いていっぱい笑って。
それで店を出て、でも私がなかなか帰りたがらないので
ちょっと外で話をしていました。
私が昔よりだいまともになった、とか言う話になって。
Mと別れてペットになっていた頃の私の話をお兄ちゃんがしてくれた。
長いのではしょると、私は終電を逃すまで飲んでお兄ちゃんに付きまといさらに酒を飲み、ホテルへ誘い、泣き、結局ホテルでMへ電話して泣き、…… (ちなみにお兄ちゃんは手を出したりしなかったそうです)
あたし憤死するかと思いましたが覚えていません。
でも話を聞くと思い出しそうになります。上野公園で話をしたことは思い出せるし。
お兄ちゃんはそういうのを忘れてるのは薬を飲んでいたからその副作用で。
と言ってくれて、だから今更とやかく言わない、と言ってくれる。
それはホッとするんだけど。
私は、本当に薬の副作用の健忘とは思っていないんだよね。
いろいろ言われるから、薬で……といっていたけれど、違うような気がしていて。
自我が崩壊しないように、無意識が押し込めてるのかな、と思う。
売春したときの記憶が飛んでいるように。
鬱になるまえからしていたのに、何人とやったかすら覚えていないし。
凄い人数なんだろうなと、思うよ。1日に何人としたのかな。
そういうシンドイコトを記憶から消すように、
Mのことを全部、記憶から消してしまったのかもしれない。
無意識で。
自己保身で。
確かに薬の健忘はあった。
でもお兄ちゃんが言うように
「昨晩電話をかけてきたことを忘れて『昨日電話した?』って電話してきたよ、毎晩」
なんて事は、実は嘘っぱちだったことを思い出しました。
本当は昨日の夜中に電話して泣き喚いたことを覚えていて、
でも今夜もどうにも独りはたまらなくて、でも昨日もかけてしまった……
よし、ココは昨日のことを忘れたフリをしておこう。
……これが真実です。私はズルイ嘘つきでした。ごめんなさい。
だからこそ、疑ってしまう。
なにより、薬を飲む前、うつ病になる前の
Mと付き合い始めた頃から決別しデイケアに通うまでの記憶がない。
病院に行ったとか、何かを買ったとか、そういうのは覚えているのに。
Mに関することだけがスコンと抜け散る。
写真とか、当時の日記を見れば思い出すし、好きな気持ちは確かだけど。
付き合い始め、別れ、ペットになったこと、決別、何一つ覚えていない。
でも、本当はどうでもいい。
記憶をなくしたまま進んでいいのだろうか?
そう思うことは度々あり、お兄ちゃんから聞き出して思い出すと言うことも出来る。
だけど、知りたくない。
薬での健忘でも、無意識の記憶操作でも、どちっでもいいから……
思い出したくない。
只、辛すぎるんだよ。
今でもMを思い出すと泣いてしまうし、マジェやマフラー音を目で追ってしまう。
今日、お兄ちゃんと話していて、思い出したことがあった。
それは決別……というか、電話をかけるのをやめた時のこと。
私はMに散々なじられて、でも何とかお兄ちゃんにすくわれつつ生活して
少しだけど落ち着きを取り戻し、病院を変え、U子さんと出合った頃
Mから連絡が入ったんだ。それで私はまた喚いて言い寄ってしまった。
それでまた散々に言われてしまい1ヶ月ぶりほどにリスカをした。
お兄ちゃんが禁止していたのに、約束破ってサクサク切ってしまって……
正直に話すとお兄ちゃんは「何も変わらっていないじゃにか!」とブチ切れ
電話と取り次いでくれなくなり、私はお兄ちゃんという支えも失ってしまった。
3日ほどたって、浴室の湯船の中ありったけの睡眠薬をで飲んで。
眠り、溺れ、溺死を図った。結局は死ねなかったけどね。
動機はMとお兄ちゃんを失って、生きていくことが出来ないと思ったから。
でも、両親は進学への不安だと思い、まもなく入学する専門学校へ電話し、
あげくに自殺未遂を犯したことを話してしまった。
専門からは入学を取り消されて、私は浪人してしまった。
Mに電話して「あんたのせいで入学取り消しになったんだよ!」と喚いた。
その時、Mが言った言葉を思い出した。
Mはこのようなことを言ったんだ……
「お前みたいなキチガイは入学を取り消されて当然だ。 一生部屋にでも閉じこもっているのがお似合いだ。 他人に迷惑を振りまくな。ウザイから」
たしか、そういうことだったと思い出して。
私は自分で言いながらうつむいてしまった。
お兄ちゃんは頭をなでてくれた。
一生で一番愛しているだろう人にそういわれて……
きっと私は全部忘れてしまったんだろうね。
それ以降はほとんど確かに覚えているから……
デイケアでやったことや、友人と知り合ったことなど、覚えてるから。
きっと一番シンドイコトを思い出したから、
「月光」を聞いて立っていられないほど泣いてしまったんだろう。
忘れたままでいさせて欲しかった。
記憶をたぐるのは、辛い。
きっと今、強引に全て思い出したら、私はまた歩けなくなる。
バイトにもいけずに、部屋に篭城するんだろう。
だから思い出さなくていいよと、自分に言ってあげるために、長い日記を書いた。
全部言い訳で、利己的で、くだらないけれど
私が自分を正当化させるのには必要だから書いてしまった。
今夜、秋の夜、月光の下で、Mは何をしているのだろう。
そんなことをふと思うと、泣いてしまう。
前のようにお兄ちゃんに泣きながら電話することも出来ないから、
プーさんのぬいぐるみを抱えて「月光」を聞きながら泣いて眠るんだろう。
その
プーさんのぬいぐるみをUFOキャッチャーでとってくれたのもMだけれど
どこでとって貰ったものかすら、思い出せないよ。
ただちょうどいい大きさだから抱きしめて……
一生で一番愛した男がMならば
お兄ちゃんは何かと言うと
一生で一番必要とする男なんだ、と今は思う。
変わるかもしれない。
でも、お兄ちゃんがいなかったら私はとっくに死んでいたんだ。
今日お兄ちゃんが歌った。
あの日あの時あの場所で君に出逢えなかったら 僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま
こんなに広いネット上で出逢えたことは奇跡?必然?
神様のおかげなら、本当に感謝するよ。
私はもう少し、1日でも1秒でも長く生きると誓います。
心が壊れる、そのときまでは。 |