仔猫と箱庭の収容所



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悪魔


彼女は悪魔かもしれない。

僕の大切な箱庭にまで侵入するんだ。
そっと近寄って恐怖を植えつけて去っていく。

僕は警戒するんだ。
でも彼女は何でも無いかの様に
直接僕に話しかけてきた。
僕は凍りついた様に動けなかったけど
脅えてる事なんて悟られたくなくて平然を装ったんだ。

後に成ってみれば
それが良く無かったのかもしれない。

彼女は御構い無しに
僕の箱庭の大切なもの達を誘惑したんだ。
甘い言葉で誘って壊すんだ。

僕は如何する事も出来ないし
誰かに警告する事すら出来ない。
それを知っていて彼女は僕に近付いたんだ。

後は僕と僕の大切なもの達が壊れるのを待つだけだ。

彼女の勝利だ。

僕は如何する事も出来ないのだろうか??
恐怖に喘いで虚空を見つめていれば良いのだろうか??

頼れる人が居ない。
それを彼女は知っていたんだ。

悪魔はもう取り返しの付かない事を始めてる。


2003年07月01日(火)

*仔猫と箱庭* 弥甫

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