仔猫と箱庭の収容所



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解剖


足を切って。
羽根を毟って。

だんだん動かなく成る君。
僕が触れようと手を伸ばすと
脅えて必死に抵抗する。

そんなに死にたくないんだ。

本能的に生きようとする。
君に痛覚なんて無くて。
哀れな君。

愛した。

あの時,僕は確かに愛した。
哀れな姿に惹かれた。
醜くて愚かで可哀相な君を
愛したんだ。

君の最期を見届けられなかった。
美しいのは必死に生きようとしてる本能で
君自身では無かった。

抵抗するから良い。
必死な姿を上から見下せるから良い。

麻酔は必要無い。


2003年07月06日(日)

*仔猫と箱庭* 弥甫

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