またポツンと予定がなくなる。
定職についてないから、忙しくもない。 仕事あるけど、なんとなくやる気がしない。
また母の遺影と骨壷と目が合う。 大号泣。大暴れ。
薬。薬。薬づけ。
死にたくないけど、母の所に逝きたい。
「自分から死んじゃったら絶対お母さんとは会えないんだよ!」と姉。
来週は49日。
母の骨をお墓に収める。
本当にこれでさよならだ。
夜中、茶室に布団を引きづり母に語りかける。
不謹慎だけど、骨壷を開け母の骨をなでてみた。
一晩中母の愛用していたラジオをかけ、ぼんやりする。
母はどんな想いでラジオを聴き、洋裁の仕事を一晩中していたのだろうか。
家は裕福でもないけど貧乏でもない。
決して休む事はなかった。「疲れる」という弱音を吐く事もなかった。 母をそこまでかりたてるものは何だったんだろう。
「動いてることが好きだからよ」
大好きなコーヒーを飲みながら、タバコをふかしながら そう答えたことがあった。
もう夜明けも近い。
そこまでして体壊して、母にとっての幸せってなんだったんだろう。
姉が一度、そんな質問をしたことがあったそうだ。
「このまま毎日同じ幸せが続く事よ」
働き者の母の言いそうな事だ。
私は母のような人間にはなれない。 だけど、母のように人を思いやり、誰からも 愛され、慕われるような人間になりたい。
少しづつ、少しづつ。努力してみよう。 私は母のDNAを受け継いでいるのだから。
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