「なにがあったの?」
彼の誕生日の頃からあちらこちらから聞こえる彼の異変。 様子の見えない私はより一層不安になる。 何がどうしたのか誰に聞けばいいのか ひとりうろたえる。 日記も書けなくなった。
もうすぐ来る国立でそんな彼を目の当たりにして私はライブを楽しむことができるのか、 彼を直視できるのか ひとりうろたえる。
「なにがあったの?」
そう聞けたら少しは楽になる。 私がそばにいたらきっと問いただしていたと思う。 よかった。私のようなおバカさんが近くにいなくて。 楽になるのは私だけ。
彼が少しずつどちらかで真相を話し初めているようだけれど はっきりとファンに向かって言ってるわけではない。 彼には彼の考えがあるのだろう。 気持ちがあるのだろう。
「どうして早く言ってくれないの?」
早く言えたら彼はきっと体を休めることができるだろう。 「ごめん、だから座ったままでいい?」 そんな彼にもきっとファンは声援を送るだろう。 でもそれは彼の望んでいることだろうか。 それができたら楽になれるのにそんなこと望んでいない。 そんなことは絶対にできない。 彼だったらそんなことはできない。
それでも「どうして?どうして?」と思う。 葛藤がある。 言ってくれない淋しさがある。
でもきっと私たち愛されているんだよ、彼に。
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