*ハナビヨリ*住宅ローン返済日記
もくじきのうあした


2003年07月25日(金) ☆救命救急11時☆

午前11時、急患が運び込まれてきました。
推定年齢3週間、ツバメ科ツバメ、住所は車庫天井附近。
発見場所、住所の真下。
すぐに保護されるも、かなりぐったり、意識不明。
脈拍…えーと、どこ?
とりあえず、なんだか冷たい気がするんですけど。

第一発見者兼搬入者はうちの若手の社員さん、ふたり。
「はなちゃん、頼むわ!オレら、虫、取ってくるし」
「とりあえず、水、やってみて」
言い残し、ツバメちゃんをはなの手に押しつけ、
彼らは飛び出していく。

うぅーむ…。
素人目でも、かなりマズイのはわかるんですけど。
ドキドキしてきた。
楽しみにしていた巣立ち。
この子だけ、弱かったのか失敗したみたい。

同僚のMちゃんは
「私、インターネットで調べてみます」と
ツバメを保護した記録に当たってくれている。
はなは言われたとおり、ストローを使って水を与えてみた。
ゴクリ。
…の、飲んだ!!
「Mちゃん、飲んだよっ」
「ほんとですか?こちらもわかりました。
ツバメの好物は、トンボ・バッタ・ミミズ・カメムシ…」
「おぇ〜」
…お、しかも目を開けた!!
「Mちゃん、目も開けたよっ」
「ほんとですか?(虫が届くの)遅いなあ」
「たぶん、エサもらってないし、衰弱してるんだよ」
「わかりました。ミミズ、取ってきます」
「え?Mちゃん?」
彼女も飛び出していく。

ツバメちゃんを手にオロオロする、はな。
だってだって、また目を閉じてしまったんだもの。
…しかも無反応。
なにやっても、無反応。
マズイ…。
もしや、逝っちゃいましたか??

こっちも、小さな命を助けるために必死です。
体を冷やさないように息を吹きかけたり、
ティッシュでくるんでみたり、
呼びかけてみたり。
思いつく限りの処置を施す。
だって、今、存在している命だから。

「はなさん、ダンゴムシではだめでしょうか」
Mちゃん、手土産を持って帰還。
「わかんない〜。でも、もしお好みでなくとも、食べてもらう!」
「ハイ!」
だって、必死だったんです。
ふたりして意識不明のツバメちゃんの口をぐいと開け、
ダンゴムシをぎゅうぎゅう押し込む。
もがく、ダンゴムシ!!
くちばしを押さえつけ、胃の中へ進むようにする。

そこへ、社員さんが帰還。
「虫!!バッタ!!ハイ!!」
手頃な大きさの、しかも生きのいいバッタが届いた。
びょんびょん跳ねるので苦労しながらも、
またもや、意識不明のツバメちゃんの口をぐいと開け、
今度はバッタをぎゅうぎゅう押し込む。
もがく、バッタ!!
入った!!

依然、意識不明。
…てゆーか、これはやっぱりそうなのでわ??
「Mちゃん…ますます冷たいんだけど…」
「わっ!しかも、小さい虫がいっぱいいますよ!?」
そう、ツバメちゃんの体から、
針の先程の小さな小さな虫がたくさん湧いている。
「これって、虫が湧くほど衰弱してるってことだよね」
「と、いうと?」
「もう、ダメってことだと思う…」
へたすると、すでに体のどこかが腐敗し始めてる?

何度も何度も様子を確かめるが、
やっぱり生きている気配が感じられない。
午前11時40分、ご臨終。
私たちの闘いが終わった。

そのままゴミ箱へ…なんて出来るはずもなく、
近所の桜の木の下に埋めておきました。
来年の春、桜となって生まれ変わることを期待して。





↑自然の中の命ってシビアよね…

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